創業者の想いを継ぐ自社農園。開園から約半世紀、

ひたすらに有機無農薬栽培を守っています。

自社農園概要

日本初の山ぶどう栽培に挑戦

1971年(昭和46年)「山のきぶどう」発売と同時に久慈市大川目町に自社農園を開園し、山ぶどう栽培に着手しました。それまでは農家の方々が山で採った山ぶどうを買い入れていましたが、天然山ぶどうは毎年実を結ばない習慣(隔年結果)があるため、原料不足を心配した創業者が山ぶどう栽培への挑戦を決意したのです。当初面積は10ha、太平洋を遠くに望む標高450mほどの丘陵地で、戦後開墾された入植地の跡地を畑にしていきました。

 

栽培方法をひとつずつ手探りで

山ぶどうの栽培方法を誰も知りませんから、最初は失敗の連続でした。周辺の山から山ぶどうの枝を切り、自根苗を育て園地に植栽。成長して5年後に開花はしたものの、実がつかない樹が多くありました。実は、山ぶどうは世界のぶどう樹で唯一「雌雄異株」の品種で、自然界では70%が雄の樹です。当時はそのことを誰も知りませんでした。10haに2,000本植栽したものの、雌の樹は77本のみ。その77本の樹から苗木を育て、植替えをして樹を増やして行きました。山ぶどうは自果受粉するため、キウイ等と違い雄雌一対でなくても栽培が可能なのは幸いでした。

 

開園100年をめざして

1985年(昭和60年)面積を15ha増やし、現在25haの園地で約6,000本の山ぶどうを育てています。日本式棚仕立て栽培と欧州式垣根仕立て栽培の両方を取り入れ、1号園地(10ha)は棚仕立て方式、2号園地(15ha)は垣根仕立て方式を採用。ひとつずつ栽培技術を確立し、現在では良質な山ぶどうを安定して収穫できるようになりました。園地では、開園時に植えた雌の老木7本(セブン・シスターズ)が今でも元気に実をつけています。山ぶどうの寿命は100年以上とも言われ、農園の主としてこれからも農園の成長を見守ってくれることでしょう。

栽培のこだわり

無農薬栽培をつらぬく

「安全安心な山ぶどうを確保する」との創業者の意志のもと、自社農園では開園時から無農薬栽培に取り組みました。農薬使用がごく一般的だった当時では画期的な試みでしたが、病害虫被害など代償も大きかったのです。特に2008年(平成20年)から2年間、夏場に発生したマイマイ蛾の被害は甚大で、山ぶどうの葉を全て食べられてしまいました。その結果、結実することが出来ず4年間収穫ゼロという被害を受けましたが、それでも薬剤散布は行いませんでした。園地では除草剤を使わないため下草が伸び、山ぶどうの葉は虫食いですが、それが無農薬の証です。

 

自然のサイクルを大切にする有機農法

園地では、開園以来無機肥料も使用していません。山ぶどうは元々野生種のため肥料分を多く必要としない果樹ですが、佐幸本店では秋に果実を搾汁したあとの「搾りかす」を発酵させ、翌年それを肥料とする「循環型栽培方法」を取り入れています。山ぶどうはより成分が抽出できるよう少し加熱して搾汁するため、ほどよい温度の搾りかすはよく発酵し、良質な肥料となります。また、山ぶどうそのものを肥料として使うため親和性が高く、施肥される樹への負担も少ないと考えられます。現在では全国各地で山ぶどう栽培が行われていますが、当初から有機無農薬栽培を行っているのは佐幸本店だけです。

園地の四季

北東北の厳しい環境に野生のたくましさで順応する山ぶどう。

開花期の大敵「ヤマセ」を乗りきり、

夏の太陽をたっぷり浴びると、豊穣の秋はすぐそこに。

■剪定(1月~2月)

山ぶどう園の一年は休眠期に行う山ぶどうの剪定から始まります。1本1本前年の樹勢を確認しながら、今年の芽の数を決め剪定を行います。

■樹液採取(4月)

2013年(平成25年)より樹液採取がスタート。樹液は年に一度、4月の2週間程しか採れないため、時には雪の降る寒さの中、時間と戦いながら採取作業が続きます。

■展葉(4月下旬)

山ぶどうの蕾が膨らみ薄紅色の今年の葉が開いてくる季節。まるで花が咲いたように農園が明るく鮮やかになり、園地全体に甘酸っぱい香りが漂う。秋の実りを彷彿とさせる季節です。

■開花(5月下旬~6月上旬)

雌の樹の開花の季節。自家受粉して花冠(キャップ)が弾けると中には小さな果実が生まれている。気候が穏やかで太陽をいっぱい浴びた花芽がほしい、1年の中で一番大切な時期。久慈地方特有の冷涼で湿った海風「ヤマセ」と遅霜がこの時期の大敵です。

■果実肥大期(6月~8月)

開花期の気候が温暖であれば生育が順調に進み、果実が地下から養分をたくさん吸い上げて、果実が肥大していきます。

■果実着色期(8月下旬~9月)

夏の十分な日照と地下からの養分で肥大した果実が、色付きはじめる季節。山ぶどう1房に対し葉は10枚程度必要で、それよりも少ないと十分な光合成ができないため、果実が着色不良になります。

■収穫期(9月中旬~10月中旬)

果実の収穫が一斉にはじまる季節。「山のきぶどう」やジャム・ピューレ用のやや酸味のある果実は9月中に収穫を終え、「完熟山のきぶどう」用は果実が完熟する10月に入ってから収穫します。

■落葉期(11月~12月)

果実の収穫が終わり、樹々もやっと一息つく季節。樹々の枝の中の養分(樹液)が越冬のため地下の根に降りると落葉が始まり、ぶどうの休眠期に入ります。